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Portisheadとわたくし

  • 前置き

ぼくはこれまでHIP HOPの面白さがよくわからなくて、なんだか素行悪そうな芸風が怖いなあ、日本的な謙譲の意識とは対極にあるところが苦手だなあ、と思ったりしていたんですが、ミーハーなことにフリースタイルダンジョンを観たところその面白さ、HIP HOPというものの幅広さや奥深さ、ユーモア、ラッパーのみなさんの魅力を垣間見させていただきました。
今にして思えば、HIP HOPに対するぼくの苦手意識は表層的な、ステロタイプな偏見にに囚われてしまっており、面白いものに対する体験を自ら放棄していたのだろうと思いました。
そして嫌だなあと思っていた部分、謙譲とは反対の在り方は、むしろ爽やかさや誠実さに満ちたものなのではないかと感じるようになりました。
今まで聴いてこなかったジャンルなので何もかもが新鮮。新参ほど楽しいことはないのですが、時間的にも(つい最近の話なので)現場に行くことはしていませんが、YouTubeでいくつか聴いてみたところ、新鮮さも手伝い面白いものがあるなあと思いました。
面白いものに気付けずに遠ざけていた事は自らの未熟さ故で恥じ入るばかりだなあと強く思いました。
余談ですが、ぼくは音楽に対する好き嫌いが激しすぎるなあと自覚はしており、楽しめないことは自らのスキルのなさの所為だと思っています。なのでぼくの好き嫌い云々は特に所謂ディスリスペクト的なものではありません。

  • 本題

ここで少し離れて本題に入るのですが、以前僕の中で妙に引っかかった音楽としてPortisheadがありました。
スペースシャワーTVあたりでたまたま見かけたのが知ったのがきっかけのはずですが、かなり朧気な記憶ではAll mineという曲のミュージックビデオではないかと思いますので1997年ごろの事でしょうか。20年近く前のことだと思うと恐ろしい気分になりますね……。
暗く不気味な印象を受ける人も多いかもしれませんが、それを初めて耳にしたとき、ぼくはこんなに美しく心地よいものがあるのだなあとおもいました。


Portishead - All mine


Portisheadの音楽はTRIP HOPと呼ばれましたが、それを本人は不愉快に思っていたらしいです。(さっきWikipediaでみました)
HIP HOPより多大な影響を受けたらしいですが、ここに来て、20年近くの時を経て、ぼくはやっとHIP HOPの面白さというものへの気付きが20年越しというかなりの遠回りでつながったのだなーと思いました。

ひとまずはTRIP HOPと呼ばれたぼくの好きな音楽、ぼくはPortisheadしか知らなかったのですが他にも聴いてみようと思いインターネットで調べてみました。ある意味良い時代。
すると検索で一番上に引っかかってきたのが鈴木妄想さんの鈴木妄想なんじゃもんさんで、ああ、これがエモいというものか、とロボットが人間の感情を覚えるような気分になりました。Twitterとか気軽だし好きだけど、ブログにちゃんとしたためるのって長期的にみるととても大事な事だなあと改めて思いました。

d.hatena.ne.jp



ひとまず、Portisheadのアルバムで持っていなかった Third を購入して聴いているところですが、またそれまでと趣の違う曲もあり面白く、ぼくの好きなものだなあと思いました。

このアルバムが出たのも2008年だそうで、それなりに小学生高学年の子が成人してしまいそうな歳月が経過しているのだと思うとやはり途方も無い気分になります。ぼくはだいぶ歳をとったせいか、あらゆるものの情報が過多となったせいか、何が新しいかとかよくわからないですね。新鮮な気持ちでこのアルバムを聴いています。新しかろうがそうでなかろうが、好きだなあと思うものには関係ないですね。

Third

Third